皆さん、こんばんは。
IT活用コンサルタントの黒木やすひろです。
前回は、IT担当がいない会社でも
ITに強い社員がいなくても
クラウドを使うことで業務のデジタル化ができる。
という事をお伝えしました。
今回は、クラウドを活用したデジタル化が
どんな場面で効いてくるのか。
業務上の困り事を解決するために使える
クラウドサービスにどのようなものがあるか
をお伝えします。

毎月締めの時期は遅くまで残業している

毎月締めの期間は色々な業務が集中し
どうしても業務時間が延びがちです。
「遅くまで残業しないと片付かない」
と悲鳴を上げている方も多いと思います。
締めの業務の中でも、紙を扱う請求書発行業務や
関係者が多い経費精算などは
特に面倒な仕事なのではないでしょうか。
毎月の締め業務を楽にしたい
そんなあなたにオススメのサービスは

請求書発行システム

会計システムや販売管理システムなどと連携し、
請求書の作成・発行ができるシステムです。
請求書の
作成⇒印刷⇒押印⇒封入⇒送付
の一連の流れがすべてオンライン上で完結できます。
ペーパレス化により、印刷コストの削減や
紙を取り扱う手間が大幅に削減できる以外に、
予め設定した内容に従い自動的に処理されるため
手作業によるミスの防止と
ミスの後処理にかかる手間とコストの削減
も期待できます。
請求書だけでなく納品書や明細書など
さまざまな帳票発行に対応できるものもあります。

電子帳簿保存システム

請求書や領収書などの国税関係書類を
電子的に保存するためのシステムです。
会計ソフトの1機能の場合や
文書管理システムのようなサービスなど
複数の形態がありますが、
2023年12月31日に猶予期間が終了する
「電子帳簿保存法」に対応したサービス
を選ぶことが必須要件となります。
紙で保管する場合と比較して
ファイリングの手間の削減や
保管スペースの削減ができるほか
特定の書類を素早く探すことができるため
取引先等からの問合せに対して
素早く回答することが可能になります。
請求書の発行と保管の両方を
一つのサービスで対応できるものも存在します。

経費精算システム

文字通り外出交通費などの従業員立替払いの
精算を行うためのシステムです。
以前から利用され、広く普及しているシステムで
会計仕訳が分からない一般社員でも
簡単に自分の精算伝票の起票が可能なため
精算処理の作業負荷を分散できることや
上長による承認の電子化などが可能です。
最近ではクラウド化により
会社に戻らなくても精算入力が可能になったり
スキャナやカメラで電子化した領収書から
金額や取引先名を読み取り
伝票の起票までできるサービスもあります。

○○さんがいないとあのファイルが見られない

重要なファイルが個人のPCに保存されていると
その人がお休みの場合や、最悪の場合、
病気や事故などで急に長期間出社できなく
なったりすると、必要な情報を見ることが
できず困ったことになってしまいます。
逆に、複数の人がそれぞれコピーを持っていて
しかも微妙に更新されていたりすると、
正しい情報がどれか分からなくなり
結局一から調べ直しで余計に手間がかかった。
といった事にもなりかねません。
そんな時に役立つクラウドサービスは

クラウドストレージ

重要な情報や、複数名で共有したいファイルを
個人のPCに保存するのではなく
外付けのハードディスク等に保存して
皆で参照できるようにすることができます。
しかし、この方法では
データにアクセスできる人を制限したり
ハードディスクの故障に備えて
バックアップをとったりするのに、
専門的な知識が必要なうえに
かなりの手間がかかります。
クラウドストレージは、この保存先が
事務所内のハードディスクではなく
クラウドに存在している形になり、
単にファイルやデータを共有するだけでなく、
・自動的なファイルのバックアップ
・簡単なアクセス権設定画面
といった、管理業務の軽減も
見込むことができます。
更に、サービスによっては
・社外の人とデータを共有できる
・複数名で同時にファイルの編集ができる
などのコラボレーション機能もあり
データの安全性と作業効率を両立できる
強力なツールです。

ファイル転送サービス

ファイルの保存とは異なりますが、
社内外の人とファイルを共有できる仕組みとして
ファイル転送サービスも便利です。
最近は、ランサムウェアの被害を避けるために
パスワードを付けたファイルが添付されたメールを
受信しない会社も増えており
その対応策としても利用されています。
クラウドストレージとは異なり、
ファイルを長期的に保存するのではなく、
5日間など期限を切って特定の相手に
ファイルを共有することが可能です。
クラウドストレージサービスの中にも
このファイル転送が可能なものもあります。

今やクラウドにないサービスはない

これまでご紹介してきたサービス以外にも
社内の情報共有のための仕組みを
まとめて利用できるグループウェア
お客様の情報や、購入履歴等の情報を
一元管理する顧客管理システム
営業段階でのお客様とのやり取り
の履歴を管理する営業支援システム
など、
一般的に会社で必要な仕組みは
殆どクラウドサービスとして提供されています。
これらの便利なクラウドサービスですが、
ただ単にこれらのシステムを利用すれば
現状の困りごとがすべてきれいに解決する。
そんな魔法のようなものではありません。
正しい手順で検討し、今のあなたの会社の
状況や課題に合ったサービスを選ぶこと、
そのサービスを使い倒す業務手順に
変えてることがとても大切になるのですが、
そのあたりのお話はまた今度したいと思います。